マーガレット・ミラー『殺す風』

二日程度であっという間に読み終わる。 ミラーなのでミステリなのだが、最後の一章になるまで謎らしい謎はなく中年の仲良し男性グループとその妻たち、彼らの不倫事情とそれがもたらした騒動が微に入って語られる。特に何も不穏なことはないのだが、このとも…

皆川博子「夕の光」『夕暮れの草冠』

まずは飛浩隆を、続いて皆川博子の「夕の光」を読む。 正直、2千円を出して購入するか迷っていたのだが、この皆川博子の短文だけでそれ以上の価値があり、もはや価格なんて考える必要はなくなった。 皆川の紹介によって横瀬夜雨という、美しい七五調の詩に…

日本SF作家クラブ編『ポストコロナのSF』読了

引き続き短い感想を。 飛浩隆「空の幽契」。幽契=神々どうしの約束。っていう意味初めて知った。神話編のところをもっと読みたい感じ。飛浩隆の文章は相変わらず美しい。 津原泰水「カタル、ハナル、キユ」。解説に「異形の作品」とあるが、異形というより…

十二国記

一昨日くらいから十二国記の戴関連…というか阿選関連の二次創作をざっと読んでいる。『白銀の墟玄の月』は、私にとっては微妙な内容で著者による公式二次というか『シン・エヴァ』を見たある種の人たちが抱いたのはこんな気持ちななんだろうなと思うような気…

お休み

実家に帰省したので読書はお休み。お掃除して終わった。

日本SF作家クラブ編『ホストコロナのSF』

短編にしても短めのものが集まっているので、日に数編ずつ読んでいる。ケン・リュウに出会い満足してしまい、毎年の『年刊SF傑作選』も最近なんだかはまれないなと思って、もう自分に国産SFは必要ないのでは、などと思ったことはあったが、なかなかどがうし…

顔之推『顔氏家訓』

講談社学術文庫の『顔氏家訓』をパラパラめくっていたら思いがけずぐっとくる文章があったので書いておく。 章題は『晩学のすすめ』(68頁から) 魏武(曹操)ら幼少期から学問を始め、老年になっても勉学をやめなかった人物、七十歳で学問を始めた曾氏、五…